Pose Method of Running ポーズ・ランニング

ランニングフォームを意識して走力を上げよう!

Pose Method of Runningのテキスト(英書)の要約や原文と対訳を紹介しながら、アメリカの人気ランニングフォーム理論について考察してみる

付録B Appendix B

Pose Method of Running, p311-313, 翻訳

ランニングのよくあるエラー Common Errors in Running

エラーとは標準からの逸脱と定義される。

A. 痛み Pain

 ・痛みの根本原因は一つであるー間違った動作をどこかでしているのです。支持脚と(そして支持脚を通して引力と)身体が相互作用している中で、何かが起きている、もしくは起きつつあるという警告なのです。

B. エラーリスト List of Errors

  1.  踵(かかと)から先に着地すること
  2. 脚を伸ばして踵で接地すること
  3. 身体の前方で着地することーストライドが大きすぎる
  4. ハムストリング(裏腿)ではなく、大腿四頭筋(表腿)を使っている(脚を地面に押し込んでいる);腿を振りながら引上げ、膝は前方に上がっている
  5. 身体の後方で着地して、かつ、つま先から着地している(重心が足の後方に流れている)
  6. や足首を固めての着地
  7. 自ら働きかけるような積極的着地
  8. 全体的な筋肉の緊張
  9. 積極的押し込みーつま先離地、脚を伸ばして身体を前進させる
  10. 離地してから脚を後方へ残すこと
  11. 体幹横や前方に傾けること
  12. 肩を上げて固める続けること
  13. 腕を激しく上下させること
  14. 間違った理論(による自分への指示)
  15. 間違ったイメージ(による視覚化)
  16. 間違った感覚(による筋肉の緊張/弛緩)

 

C. エラーの見分け方、種類(よくある関連している故障による) How to identigy them (by common related injuries)

 

f:id:Tomo-Cruise:20170919060325p:plain1.踵(かかと)からの着地(踵で地面をたたく)   / 脚を伸ばす

  • 膝関節痛(膝蓋骨痛)
  • 臀部痛
  • 腰痛

 

 

f:id:Tomo-Cruise:20170919060343p:plain2.前方や膝関節より前の着地

  • 疲労骨折
  • シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎;すねの痛み)

 

 

 

 

 

 

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付録A Appendix A

Pose Method of Running, p307 -p310 翻訳

(特定用語の)定義 Definitions

  • 身体の重心 General Center of Mass (GCM) of the body

 →全身を支えるべく移動する体の中の位置。体重が全方向にほぼ均衡している位置。

  • 地面反力 Ground Reaction Forces (GRF)

ニュートン力学における、全ての力(force)は均等な相反する力を受けることを示す用語。脚が地面に当たるときの力は、地面から脚に及ぼす力と同等であり、その力(force)は体重の3~4倍に達する。

  •  筋弾性 Muscle Elasticity

→筋肉が、ある負荷をかけられた時に伸長し、その後、急に解放された際に素早く元の通常の状態に戻す能力。

  • 可動域 Range of Motion (ROM)

→動作中に四肢や身体を広げられる範囲

  • 母指球 Ball of the foot (BOF)

→ランニング文献でのフォアフット(足の前部)とも言われる、種子骨関節の下の部分、第一中足骨と足の親指の部分。

 

 

ポーズの概念 Pose Concepts

  •  ポーズ Pose

→全ての動作が生み出されるランニングフォームの中での最も重要な姿勢。

  • 車輪(理論) Wheel

→車輪の3つの主な力学的性質をランニングへ再現する考え。
その3つとは -
・支持点上で重心(GSM)が絶えず安定した位置にあること、
・重心の高さが変わらずに垂直方向の振動もなく安定した位置にあること、
・そして支持点は常に変化していくこと。
この車輪の力学的性質をランニングに適用すると -
・足前部の接地した真上に身体の重心を保持し、
・支持点が変化するなかで身体の垂直方向の振動を減少させ、
・支持脚の交替の時間を素早くすること。
 - となる。

  • S字姿勢 S-spring Stance

→片脚で完全にバランスの取れた状態で、足前部に荷重し、膝は曲がっており、身体はコンパクトにまとまっており、弾性エネルギーを秘めた状態の姿勢を維持すること。

  • 支持脚交替 Change of Support (CS)

→身体の荷重を片方の脚からもう一方へ移すこと。

  • 垂直動作 Vertical Action

→支持脚を地面から尻の下へ引き上げる動作。

  • 無償の力 Gratuitous Forces

→重力、弾力、慣性、転向力コリオリの力)などの筋肉が活動するためのエネルギー(アデノシン三リン酸)に影響しない力。

 

 

 適切なランニング技術のルール Rules of Good Running Technique

  1. 足首から身体を全体的に前傾させて身体を自由落下(引力に身を任せる=重力を利用して前進する)させる。
  2. 肩、尻、足首を縦軸のラインに揃える。
  3. 常に膝を湾曲させていること、伸ばしきらないこと。
  4. 支持脚の母指球に荷重すること(フォアフット接地)。
  5. 支持脚の交替を素早く行うこと。
  6. 支持脚の交替時には、足首をハムストリングス(腿裏)の力で尻の下へ地面から真っ直ぐに引き上げる。
  7. 支持脚の接地時間を短くする。
  8. 支持脚は楽に、力ませずに、軽やかにしておく。
  9. 地面を蹴り上げてはいけない、つま先を使ってはいけない、ただ引き上げる。
  10. 支持脚の踵(かかと)は直接的に接地してはいけない、または荷重してもいけない、踵はわずかに地面に触れるくらいが理想。
  11. 支持脚接地時には脚を膝と尻を結ぶ縦線より前に出してはいけない
  12. つま先方向に荷重を移してはいけない:母指球に荷重したら、すぐに足首を引き上げるのみ。
  13. 速く走るためにトライドを広げることや動作域を広げることを意識してはいけない、それらは速く走った結果としての作用である。
  14. 膝や腿を広げすぎてはいけない、前方や後方に交互に動かすだけ。
  15. 足首を前後に振ってはいけない、上下に動かすのみ。
  16. 脚をスイングする際は、ぶら下がっている感じでリラックスさせておく。
  17. 着地をしっかりとしてはいけない、すぐに引き上げる。
  18. 引き上げた脚は、筋力を使わずに、引力の力と伸張反射と推進力を利用してのまま自然に着地する。
  19. つま先を伸ばしてはいけない、つま先で着地してもいけない。
  20. 足首はニュートラルポジションを保持する、つま先を上げたり、背屈させたりして固定してはいけない。
  21. 腕の役割は脚の動作に合わせて自然にバランスをとる。

 

ランニング技術の原理原則 Running Technique Principles Reminder

  1. ポーズによって、ランニング中の各動作を一体化させる。
  2. 引力が主な牽引力であり、引力によって牽引力を統合していくのです。
  3. 自由落下は自由に走るということに通ずる。
  4. 筋力を使うことは、実質的には引力を補助すること使われる。
  5. 自由落下における身体の動作は、バランスをある程度一定に崩すことにより接地から外れることによってもたらされる。
  6. 接地から外れることは、支持脚を垂直方向に、尻の下へ持ち上げることによってもたらされる。
  7. 支持脚の引上げは、ランニングポーズ姿勢におけるハムストリングス(裏腿)の筋肉によって行われる。
  8. 引き上げること、その視点にこだわって実践する、地面を押してはいけない
  9. ランニングとは、動作を制御するスキルだ。
  10. 技術とは、精神的・生理的能力を利用し研ぎ澄ましていく道筋である。

 

著者について ABOUT THE AUTHORS

Dr. Nicholas S. Romanov  ニコラス S. ロマノフ (著者)

 

f:id:Tomo-Cruise:20170824060933j:plain ロシア生まれ、ロシア育ち。Chuvash州のPedagogical大学の体育学部を優秀な成績で卒業後、1年間ソビエト軍に兵役し、Pedagogical大学においてトラック・フィールド競技の理論・実践の非常勤講師として勤務し始め、大学のトラック・フィールド競技のコーチを兼任。同時にモスクワの体育運動全連邦科学研究機関において、ソビエト連邦の名高いスポーツ科学者兼コーチであるVladimir M. Diachkov教授の研究室で学ぶ。

 モスクワのロシア体育運動スポーツアカデミーより体育教育の博士号を取得した後、スポーツ学科の学部長になり、トラック・フィールドのヘッドコーチ、スポーツ生体力学と体育教育・スポーツトレーニングの理論実践とトラック・フィールド理論実践の上級講師を務めた。70年代中ごろにポーズメソッドを発展させ、ランニング・トラック・フィールド競技・競泳・自転車競技・体操・スピードスケートやクロスカントリースキーのパフォーマンスと効率性の向上を目指す。

 1993年、Dr.ロマノフはフロリダ州マイアミに移り、自分のワークショップを立上げ、ポーズメソッドを用いてトライアスロン選手やエリートランナー、年齢別グループ、アマチュアランナーのトレーニングを指導する。受講者はアメリカ、中南米諸国、カナダ、ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアに及ぶ。1997年には初のレッスンビデオ「The Pose Method of Running」をリリース、今日まで世界中で販売され続け、ランナーやトライアスリートのパフォーマンスの向上や故障の著しい減少に貢献し、数多くのアスリートの故障後のレースへの復帰を実現させている。

 Dr.ロマノフの近況は、スポーツクラブや国際運営組織、大学と関連してクリニックやセミナーをアメリカ、メキシコ、イギリスそして南アフリカでの活動が挙げられる。1996年-2002年にアメリカ・トライアスロンコーチング委員会のメンバー、2000年のシドニーオリンピックでのイギリストライアスロンチームの相談役をこなし、2001年からはイギリスのトライアスロンチームのコーチとなっている。ポーズメソッドを指示する科学的研究が以下の研究機関・学校で実施されている。コロラド・スプリングズのUSAオリンピックトレーニングセンター(1998年)、Florida Atlantic 大学(1999年)、イギリスのShefield Hallam University(2001年)、南アフリカのCape Town 大学(2002年)、そしてロシアのKubansky State 大学。

 現在(2002年か2003年)Dr. Romanovは51歳で、妻であるDr. Svetlana Romanovと3人の子供たちとマイアミに住んでいる。

John Robson  ジョン ロブソン (共著者)

 フロリダの紺碧の大西洋が広がるマイアミビーチから軽く4分ほどのランニングで行けるところに在住。妻のGayや娘のJaneとコスタリカやメキシコ、ノースカロライナ、カリフォルニアへとよく旅行に出かける51歳。最近ではハワイに行きサーフィンやサイクリングにはまっており、等しく情熱を燃やしている。より身近なところでは、トレイルランニングスケートボード、水泳を波が立たない日にたしなんでいる。

 また、フロリダスポーツマガジンやマイアミヘラルドによく記事を提供している。何年にもわたり、多くのバラエティに富んだ記事を出版社やオンラインサイトに投稿している。Active.com、Gorp.com(Great Outdoor Recreationのページ)、MountainZone.com、the New York Daily News、Outside Magazine、Billboard Magazine、Music Sound OUTPUTなどのサイトへ。

 1973年にWashington & Jefferson Collegeを卒業し、有名な国営の実況音楽テレビネットワーク会社の重役を務め、最近7年間は音楽マーケティング会社と提携し、現在は新興のHydrogen Recordsの要人となっている。