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Pose Method of Running ポーズ・ランニング

ランニングフォームを意識して走力を上げよう!

Pose Method of Runningのテキスト(英書)の要約や原文と対訳を紹介しながら、アメリカの人気ランニングフォーム理論について考察してみる

34 ベアフット(裸足)ランニング RUNNING BAREFOOT

ベアフットランニングで足裏を強化して、さらにフォームを洗練しよう!

Pose Method of Running, Chapter34, p219-222 要約、一部本文と対訳

  近年のランニングシューズの発達には目を見張るものがあるが、そのこと自体がある意味、問題を引き起こしているとも言えるかもしれない。ランニングシューズメーカーの広告では、その快適さや安定性、踵(かかと)のクッション性などを謳っている。それらは一見、走力を上げる効能のように思えるが、つまるところ、ランニング技術の未熟さを隠す人工的手段に過ぎないかもしれない。
 その中でもより有害なのは、踵クッションでありランニング技術の未熟をを助長させる可能性が高い。すでにポーズメソッドを学んできた皆は適切なランニング技術に足前部での着地が含まれていることは周知のことと思います。事実、踵着地は痛いはずだ。人間の足はそのように走るようには設計されていないのだから。しかし、ヒール部に厚く保護されたクッションのあるランニングシューズを履いて走ることによって、踵で着地しても痛みがないばかりか、踵以外で着地することができなくなるかもしれないのです!
 ランニングシューズを脱ぎ捨てて少し走ってみれば、踵着地が人間の長距離走行にはとてもじゃないが向いていないとすぐに気づくことでしょう。そして自然にポーズランニングのスタイルに近づき、ストライドはコンパクトになり、足前部着地をせざるを得ないでしょう。
f:id:Tomo-Cruise:20170331001020j:plain 興味深いことに、近年陸上長距離界において世界的に上位を独占しているアフリカのランナーのランニングフォームを観察してみると完全なポーズランニングのスタイルとなっていることに気づきます。それらのフォームは直観的に得られたものでもコーチから教え込まれたものでもないでしょう。幼少の頃から靴を履かずに未舗装の道を走り回っていた結果なのです。ベアフットランニングが彼らに適切なランニング技術を示したと言えるのです!

f:id:Tomo-Cruise:20170331001214j:plain ものごころがつかない頃から靴を履いて育ってきた我々にとっては、足裏が柔らかすぎてとても裸足でマラソンを走るなんてことは考えられないでしょう、1960年ローマオリンピックのマラソン金メダリストのアベベエチオピア)のようには。しかし、ベアフットランニングを慎重にではあるが実践することによって得られる恩恵はランニング技術の習得にとって大きいのです。

 

 

On the physical side, barefoot running will help develop local strength around the ankles and feet. Stability shouldn’t come from the artificial means of a wide-platform shoe, but from strong muscles, joints and connective tissue. Developing this strength, instead of buying it, will greatly reduce your chances of being sidelined by Achilles tendonitis, plantar fasciitis or other common runners’ injuries.

It stands to reason that the proper alignment of the entire body flows from proper foot placement during the landing phase of the stride. Land with the foot too far in front of the body, off-center, or on the heel, and your whole body will be out of alignment. Barefoot running, which pretty much forces you to land on your forefoot, goes a long way toward setting up proper alignment from the feet all the way to the crown of your head.

身体的にはベアフットランニングによって足関節(足首)や足周りなどの局所的強化を促します。安定性は幅広厚底のシューズなどの人工物から得られるものではなく、強靭な筋肉や関節、結合組織から得られるのです。機能的なランニングシューズを買う代わりにそれらの部分を強化することによって、アキレス腱炎や足底筋膜炎、その他のランナーのよくある怪我に見舞われるリスクが一段を減るのです。
 そのわけは、適切な全身の連携というのはストライド中の着地時の適切な足の位置によって決まるからなのです。身体の前方向に着地してしまったり、重心が左右にずれていたり、踵で着地していたりすれば、全身の連携は崩れてしまうでしょう。フォアフット(足前部)着地を半ば強要するベアフットランニングは、足から頭頂までの適切な連携を身体に覚えこませるのです。

 ベアフットランニングを実践することの恩恵をまとめてみると:適切な着地(足の前部)を促し、身体は完全に連携し、足まわりは強化され安定度を増し、さらには筋力弾性と支持脚の着地時間を短縮させるのです。もう接地時間を短縮させるべく熱い炭の上を走るようにイメージする必要など無いのです。つまるところ、裸足で走るということはポーズメソッドを身に着ける近道なのです。
 他のポーズメソッドにおける強度調整のエクササイズと同様にベアフットランニングも少しずつ身体を慣らすことから始めましょう。裸足でのウォーキングで足裏の皮を厚くしてから走り始めるくらいでも良いでしょう。
 

f:id:Tomo-Cruise:20170331001418j:plain ベアフットランニングを始めるのに適した場所として砂の上もしくはトラックがおすすめです。双方とも足を痛めるリスクを最小限にとどめつつ足裏の着地感覚を磨き上げることでしょう。砂上ではより強度調整向きで、トラックはフォームの微調整に向いています。

 初めのうちは、適切なフォームを探りつつ25メートル程度の距離を何本か繰り返し、裸足でのランニングに慣れてきたら徐々に距離を伸ばしていきましょう。このエクササイズの目的は強度と身体コントロールを開発することであり、忍耐力を付けることではありません。ベアフットランニングは月間走行距離を積み上げるようなカウントはせずに休息日に試しに始めるべきエクササイズなのです。

 

33 トレイルランニング TRAIL RUNNING 

トレランで野生の本能を目覚めさせて、走力アップ!

Pose Method of Running, Chapter33, p215-217, 要約、一部本文と対訳

  トレイルランニング(トレラン)は、最も純粋な形態としてのランニングと言えるだろう。アスファルトや車、排気ガスの代わりに森林や草原の香りや景色に包まれて、単純に走るというよりも小旅行をしてる気分でランニングに臨めるだろう。ランニングから単調作業的な辛さを取り除き、冒険心を与えてくれる。

f:id:Tomo-Cruise:20170324182400j:plain トレランは精神的な恩恵ばかりでなく、身体にとっての恩恵もたくさんある。舗道が均一で安定した地面であるのに対して、トレイル(山道)は概して不規則でねじれたり、曲がりくねったり、小石や根っこがあったり、起伏に富んでいたりする。トレランは予測不可能な状況からおのずと特定の必要条件を伴う;コンパクトなストライドや高ピッチ、研ぎ澄まされた感覚など。常に変化する状況や方向に適応し続けるには、軽く力を抜いた走りが必要となる。

 必然的に接地時間は短くなり、着地に注意を払わざるをえず、さらに支持脚は常に地面から素早く引き上げられるべく準備されている必要がある。これらの必要性からフォアフット着地や優れた筋肉弾性が発達するのである。トレランの常に変化する状況は柔軟で好反応な身体動作の発達を促進し、神経筋肉系統を刺激する良いトレーニングに導く。

There are some more subtle physical benefits to trail running as well. On the road, where you are able to more perfectly control the exactness of each footfall, you end up with what you might call very linear development of your muscles and connective tissue. You will get very strong while moving directly straight ahead, but you will not be conditioned to absorb the impact of an unexpected misstep caused by a pothole, a branch in the road or even loose rocks.

In contrast, the very unevenness of the trail leads to a more well-rounded development of your muscles, ligaments, tendons and joints. By teaching the body, legs and feet to land on the ground at any angle, position, pitch or consistency, trail running builds the comprehensive strength that will help to keep you injury free. Simultaneously, it is also a very good psychological training which prepares you to be ready for quick reactions to any changes in running conditions without becoming unsettled or distracted.

トレイルランニングには、より微妙な肉体的感覚を養うことにも寄与している。路上においてはより完全に着地をコントロールできることもあり、筋肉や結合組織がいわゆる直線的に開発される。直線的に進んでいる間は力を発揮できるが、くぼみや浮石、落ちている枝などによる予期せぬ踏み誤りの衝撃を吸収できるようには調整されていないといえる。
 対照的に、山道の不安定さは筋肉や靭帯、腱、関節など多方面にわたる開発を促す。トレイルランニングは、体幹や脚、足に様々な角度や固さの地面に着地することを体験させることにより、怪我をしないような包括的な身体強度を獲得させうるのである。同時に精神的にもすこぶる良いトレーニングであり、ランニング時のいかなる状況変化にも臆することなく、素早く対応しうる心の備えも身につくのである。

f:id:Tomo-Cruise:20170325061246j:plain 砂上ランニングや坂道ランニングと同様、住んでいる場所によってトレランをどの程度メニューに取り込めるかは決まってくるだろう。もし最適なトレランコースが身近にあったり、アクセスが良いところにあれば、トレランをトレーニングメニューの中心にしても良いだろう。都会に住んでいてトレランコースまで時間がかかるようであれば、時々週末に長距離走を兼ねて出かけるのも悪くないだろう、精神的にリフレッシュしながら最適な身体の強度調整もできるのだから!

 

32 上り坂と下り坂のランニング UPHILL AND DOWNHILL RUNNING

坂道ランニングで走力を上げよう!

Pose Method of Running, Chapter32, p209-213 要約、一部本文と対訳

  一般ランナーの多くは、自分のランニングルートに坂道を取り入れることを避ける傾向があるが、少ないながらも坂道を走力を上げる機会と捉えルートに積極的に取り入れるランナーも存在する。そして、後者がランナーとして上級者となるのである。

 ポーズメソッドを習得中のランナーにとっても、坂道ランニングは一つの大きな疑問の種である。事実、「上り坂や下り坂でのポーズメソッドの走り方はどうすればいいのか?」という質問が問い合わせの上位を占めている。
 

f:id:Tomo-Cruise:20170320183807j:plain 特に上り坂ランニングは、重力を利用して推進することを前提としているポーズメソッドの理論に反するように思えるかもしれない。上り坂を走りつつ重力を利用する秘訣は、木の伐採方法の技術にヒントがある。

 f:id:Tomo-Cruise:20170320184042p:plain大木の伐採方法の基本的な手順は、まず倒したい方向に角度のついた切り込みを作り(受け口)、その反対側(のやや上方)に水平な切り込みを入れるというものです(受け口側に傾いている幹の自重に対して、追い口側は木を引っ張っている。これを切断することで追い口側が開き、木が倒木する)。

 

The same principle applies to running uphill. As you run in the Pose Method, you always have a slight, barely perceptible, forward lean to your body. As you release your foot from support, you are, in effect, creating a notch between the weight of your body and the direction in which you want to head. The momentum of your running plus the forward lean allows gravity to continue to work for you – you literally free fall uphill.
This is not to say that running uphill becomes an easy task. You still are subject to the physics involved of moving your body mass in a direction opposed to gravity, but at least you’re using gravity to help you along the way.

 (木の伐採方法)と同様な原則が上り坂ランニングにも当てはまる。ポーズメソッドで走る場合は、常にわずかながら、外からは認識できないくらいの前傾がかかっている。支持脚を上げるときに実際起こっているのは、重心と進みたい方向との間に切り目(伐採の際の追い口)を入れることなのだ。推進力に前傾が加わり、重力作用の恩恵を受け続けることができるというわけだ―自重落下で登ることができるのです。
 重力作用の恩恵があるとは言っても、上り坂ランニングが平地ランニングより楽にこなせるようになると言っているのではない。常に重力と反対方向の体重分の物理的な影響は受け続けるのであるが、少なくとも重力を進みたい方向への推進力に活用できるということだ。

  上り坂ランニングでのポーズメソッド実践においての強度調整の必要性は必然だ。上り坂版ポーズメソッドではストライドを短めにピッチを上げて、またはピッチを落とさずに走ることになる。結果的にハムストリングスへの負担は増大することになる。
 また、筋力弾性もピッチを維持することに活躍することになる。一度、上り坂版ポーズメソッドを会得すれば、ライバルに差をつける大きな武器となるでしょう。

 さて、次に下り坂ランニングについての注意点の第一は、下りは楽だという先入観にある。下り坂を走っているときには、ストライドが大きくなり、縦揺れが増大し、足音が大きくなりがちだ。そして、下り坂での制動をかけるために何かしらの筋力的対応が必要となり、大腿四頭筋(腿前部)が必死に応戦することになり、一定時間応戦したままでいると、そのうちに制動モード(braking mode)が故障モード(breaking mode)へと変化してしまう?!
 下り坂ランニングでの実践ポイントは、まずストライドをコンパクトにし低めに抑えることです。垂直な振動が余分に発生することを避けることです。そして足が全面へ流れないようにすることです;接地を常に身体の真下にもっていくのです。身体は垂直に保ち前傾は最小限に抑えましょう。暴走機関車になる前に、以上を意識して下り坂での速度をコントロールしましょう。
 

f:id:Tomo-Cruise:20170320184235j:plain 下り坂ランニングのトレーニングによる最大の恩恵は、脚で地面を蹴らずに、脚を地面に自重で落とす感覚を身に着けられることだ。平地でのランニングではこの感覚を得にくいが、下り坂ランニングでは脚の自重落下に向けた力の抜き方を意識しやすい状況であり、その感覚を平地ランニングにも流用して筋力の省エネ化を手に入れるのです。

 他の特殊な強度調整トレーニングと同様に、坂道トレーニングをどのくらいメニューの中に組み込むかは、住んでいる地域により変化するでしょう。近くに坂道のある地形がないランナーの中には橋、歩道橋やスタジアムの階段を利用する者もいる。
 週に1回は坂道ランニングを取り入れたいところだ。はじめは短めの距離でフォームに意識を集中して、ポーズメソッドの技術を用いての坂道ランニングを会得していきましょう。坂道ランニングの走り方(フォーム)を身に着けた後、距離や速度を上げて負荷をあげるとよいでしょう。