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Pose Method of Running ポーズ・ランニング

ランニングフォームを意識して走力を上げよう!

Pose Method of Runningのテキスト(英書)の要約や原文と対訳を紹介しながら、アメリカの人気ランニングフォーム理論について考察してみる

17 走ろうとして走るな:何もするな! DON'T JUST RUN: DO NOTHING!

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やってはいけないことを意識し、無意識に最適なフォームになる!

Pose Method of Running, Chapter17, p87-91 要約、一部原文と対訳

In anyting at all,   すべての物事において、

perfection is finally attained   最終的に完全なかたちに到達するには、   

not when there is no longer anything left to add,   加えるべきことがなくなったときではなく、

but when there is no longer anytining to take away.   もう余計なものを取り除くことがなくなったときだ。

Antonie de Saint-Exupery

 

 これまでRunning Poseを身に着けるために意識すべき様々な点について解説してきました。全ての関節を軽く曲げる・常に身体をやや前傾させる・母指球あたりで接地する・着地直後に足を引き上げる・体幹を安定させる・ピッチを上げるなどなど。
 それらを頭に入れながらも、Pose Method of Runningにおいては、してはいけないことにも意識を向けなければならない。

このコンセプト(何もするなコンセプト)は、トライアスロンの選手のコーチをしているときに生まれた。ある有望な選手を指導しているときに、ことあるごとに「その動作は余計だ、この動きをするな」とその選手の動作を修正しようと助言していると、「何もするなっていうんですか?」と返されたのだった。熱心な選手になればなるほど、パフォーマンスを伸ばすために様々な動作を取り入れる傾向があるが、Pose Method of Runningにおいては余計な動作をしないということが求められる。ポイントは現象を起こさせることであり、自ら起こすことではない。重力(引力)という偉大な力を労力を使わずに推進力へと変換し、接地足を引き上げることにのみ労力を使うべきなのだ。

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  • 後方に着地足を残してはならない地面を蹴るような走りで後方に足を残さずに、骨盤の下に足を引き上げること。その位置は体幹・肩・首・頭と縦のライン上にある。
  • 膝や尻を持ち上げたり前方に振り出してはならないピッチを上げる走法において脚(腿)を上方に上げたり、振り出す動作は全くの筋力の浪費といえる。骨盤の下に支持脚を引き上げるのに使う筋力は、ハムストリング(腿の裏側)のみである。ふくらはぎや腿の筋力を使って脚を持ち上げることは前進するのに全く余計な動作である。
  • 脚を伸ばしてはならない膝関節を伸ばして走ることは、着地衝撃を緩和することができすに、もろに関節や脛にその負荷がかかることになる。速く走ろうとすればするほど、その衝撃は増す。ゆくゆくはシンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)になるか、衝撃を緩和させるのに遅く走ることになるかである。
  • 腕振りで加速してはならない腕を振って身体を前進させるのではなく、腕は身体のバランスをとるためだけに使うべきであり、リラックスさせているのが理想である。

While the Do nothing concept may not be as easy as it sounds, it’s sure a lot better than the alternative, which is running slower and creating unnecessary injuries. Sometimes the most important part of doing something right is to not do everything wrong things that can kill you. It takes a lot of mental focus to do only that which is necessary and let everything else be relaxed, but that's exactly what it takes to run further and faster.

 何もするなコンセプトは、思うほど簡単なことではないが、逆に余計なことをして走力を落としたり、故障を引き起こすよりはましだ。時として適切な動作をするということは、その動作に逆らう全てのことをしないことと等しい。必要な動作のみをし、全身をリラックスさせることには精神的な集中力を伴うが、それこそが走力を上げるのである。

この章のコンセプトにおいて、接地(着地)や足の引き上げについては、他の章でも繰り返し説明されているが、腕振りについては初めて指摘されている。いわく、腕も振るな、である。これも初心者には中々に納得のいかないことだろう。他の教本などでは、リズムよく小刻みに腕を振れとか、後方に肘を引けとか勧めているからだ。結論としては、ただ単に腕を振って走るな(エネルギーの浪費をするな)、ということ。前傾姿勢のバランスを保ちつつ、肩甲骨と骨盤を連動させリズムをとるのに肘を捻るというほうが正しい動作だと思う。なので、外観的には腕を振るというよりは、肘で上半身のバランスをとるというほうが正しい。少し大げさではあるが、動画の「獣人走り」の腕の動きを参考に見てほしい。動作をキャラクターにのせたときに肩甲骨と肘の連動がわかりやすい。

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